【スメルズライクグリーンスピリット】ネタバレ感想
ド田舎の学生・三島は同級生からイジメられていた。理由は三島が“ホモっぽい”から。実際に男性が好きな三島は抵抗もせず、隠れてする女装だけが心の拠り所だった。ある日、三島が屋上にいると、以前なくした口紅を持ったイジメグループのリーダー・桐野を目撃する。彼は三島の使った口紅を、自らの唇に塗ろうとしていて……。この世界のどこかで“本当の自分”でいられる場所を求めた少年達の、今、一番伝えたい青春ストーリー。
女装癖がある、同性が好き、“人とはどこか違う”…悩みを打ち明ける事で、クラスのいじめられっ子だった三島と、いじめっ子だった桐野は固い絆で結ばれる。しかし束の間の平和は、三島が社会科教師・柳田に目をつけられた事からガラガラと崩れ始める。小さな田舎町に駆け巡るウワサや、息子へ多大な期待を寄せる母の思い、その全てと対峙しながら三島と桐野、2人が導きだす答えとは――。
女装が好き、オトコが好き、 それは口に出来ない一夏の秘密。 大人が泣けるゲイ男子の青春。
以下ネタバレ感想です
いやー泣いた。
またこの始まりですが、本当に泣きました。
いわゆるBL作品というくくりではない物語です。
とにかく読んでみて欲しい。
かるーく流し読みが出来ない作品なので気合いが必要です。
読み返すのも、よし、スメルズライクグリーンスピリット読むぞ。と
自分を奮い立たせてから読みます。
切ないとか悲しいとかはっきりした涙ではなく
よく分からない感情の涙が溢れます。
sideBにて、桃源郷を目指したふたりが桐野の母親が倒れた事で
桃源郷にたどり着けず、家へ帰る電車のなかのシーンは胸が締め付けられます。
桐野が「手がね」と話始めるところが本当に本当に泣けました。
三島と桐野、二人がそれぞれ選んだ道は二度と交わることがなくても
たったひと夏の宝物の様な時間があったから
「がんばれ」るんだと思います。
読み終わった後、まるで自分は三島と桐野の親友の様な気持ちで
二人の人生に思いを馳せてしまうのです。